にゃにゃげつ

最近臭いおじさん【過去記事】と一緒に夜勤をしている。

50過ぎの滑舌が悪すぎて猫が人間の言葉喋ってるみたいに聞こえる尋常じゃない加齢臭がして知らないところで夕勤の高校生にロッカーの制服をファブリーズでびちゃびちゃにされてるほとんど腐った死体のおじさんだ。

「にゃきんいがいにゃぜんぶにゃいれまゆ(夜勤以外は全部入れます)」と言ってた臭いおじさんだが、仕事ができなさすぎ臭すぎで他の時間帯から徐々にシフトを削られ、デリカシーのない昼勤のおばさんに直接体にファブリーズを吹きかけられ、ほんとのゴキブリみたいな追い出され方をして、以外はと言ってたはずの夜勤に渋々入ることになったみたいだ。それまでは臭いおじさんが夕勤に入ってる時に夜勤との交代ですれ違うぐらいしかなかったので、臭いのはわかっていても仕事のできなさは人からの悪口でしかわかっていなかった。

臭いおじさんは走る。とにかく走り回る。ただ何もしていない。本当にただ走ってるだけだ。
人に仕事が遅いのを怒られすぎて、やってる感を出すことに重点を置いてしまい、ガキ使で大食いに挑戦してる時の山崎邦正みたいになっていた。要領も悪く、意味のない行ったり来たりを繰り返し、せっかく走ってきたのにただ呆然と見てたり、運動音痴が体育の授業でヤンキーと同じチームでバスケットボールをしてるみたいな動きだ。


「ゆっくりでいいのでひとつずつ片付けていきましょう」


“あまり叱ると自分の殻に閉じ籠る”というどうしようもない情報を臭いおじさんと一緒に昼間も働いてる夜勤の人から聞いてたので優しく伝えることにした。

コーヒーメーカーのココアが入ってる筒を取り外し、いったんココアを筒から袋に移し、筒を水洗いし、水を拭き取り、またココアを戻す。という15分あればできる清掃作業を1時間以上かかっていたので見に行くと、筒の中にある滑車(これが回ってココアが出る)を止めるピンを穴に入れることができずに何度も落としていた。はじめは手先が不器用なのかなと思っていたが、あまりにも入らないので様子を見ていると穴の形が右に向いたひょうたんなのに、ピンを左に向いたひょうたんにしてずっと差していた。「○○さん、もしかして見えてません?」と冗談で聞いたら「にゃい(はい)」と言われた。

最近いつもかけてた眼鏡が壊れたのだが、予備の眼鏡の度が合ってないらしく見えないらしい。予備でも度は合ってないとダメだろと思いながら、じゃあ壊れた眼鏡を治したらいいんじゃないですかね?と尋ねると「にゃあぁ...(いやあ..いつもやってくれてる眼鏡屋があるんですが、最近ずっと閉まっていて行けないんですよね..)」と言われた。


「どれくらい閉まってます?」

「にゃにゃげつ(2ヶ月)」(閉店だろバカ)


最近ってわりと前だなと思いながら、それだけ開いてないならもう開かない可能性の方が高いと思うんで違う眼鏡屋へ頼んだ方がよくないですか?と言うと「にゃあぁ..(いやあ..ずっとそこの眼鏡屋だったんで、何も言わなくても全部伝わりますし..)」いや、違う眼鏡屋で口で伝えればいいんじゃないですかね。「にゃあぁ...(いやあ...でもその眼鏡屋のおじいさんじゃないと調整ができないんですよね..)」

お前の眼鏡はガッツのドラゴン殺しか。なんでゴドーじゃないと研げないみたいなことがあるんだよ。と思ったが、もしかしたら私が知らないだけでこの平成が終わりそうな現在でも眼鏡の調整は今だ難しく、どこの店でもできることではないのかもしれない。じゃあそれでいいですけど、仕事に支障が出てるのは間違いないので、せめて穴が見えるぐらいに予備の眼鏡を調整してきてくださいと伝えた。

臭いおじさんは右利きなのに釣りを渡す時だけ左手で渡そうとする。お客さんが取りづらそうなので、右で渡さないんですか?と尋ねると、「教わったのがこれなんで、これでやらせてください」(怖っ)と強めに言われた。臭いおじさんは昔違うコンビニで社員として働いてたらしく(ほんとかよ)、その時はじめの研修で教えてくれた人が左利きだったのでそう覚えてしまったようだ。全く意味がわからないが、コンビニ店員も右打ち左投げとかあるんだと無理矢理自分を納得させた。

退勤後廃棄の弁当を二人で食べてる時、無言の室内に加齢臭と南蛮の臭いだけが漂ってる状態がつらくてつい「結婚とかされてますか?」と無粋な質問をしてしまった。「にゃにゃの...(今の彼女と結婚を考えていて式をあげる予定だったんですが、兄が病気で倒れて介護をしなきゃいけなくなって延期になったんです)」と予想してなかった答えが返ってきた。勝手に臭いおじさんは独り身で母親と住んでいて、50すぎても母親に隠れてオナニーしてると思っていた。申し訳ない。後日昼間も臭いおじさんと一緒に働いてる夜勤の同僚に聞くと、彼女は三十代前半のフィリピン人の女性らしい。昼勤の人達がたまに開いてる飲み会で彼女の写メを見たら、若くて美人だったので、貢いでるだけで客なんじゃないかと昼勤のおばさんに疑われてるみたいだ。続けて臭いおじさんは「にゃに..(兄だけでなく、母親の介護もしてるので夜勤がきつい)」と喋り出した。それがあるから夜勤以外はと言ってたのか。ほんとは昼勤にもっと入りたいがあまりシフトに入れてくれないと嘆いていた。ただ臭いおじさんの仕事ぶりを目の当たりにしてしまった今だとお昼時にこんなスピードで仕事されるとやっていけないわなと、ただかわいそうとも思えなかった。

臭いおじさんと夜勤に入ってもう1ヶ月経つが、最新のおじさんの仕事のスピードが1番遅いという謎の退化をしている。ずぅ~っと同じミスを繰り返し、少しも進歩してくれないどころかしてなかった新しいミスをはじめ出す。まだ眼鏡の度は合ってないが、もう何も言わない。合ったところで..と思ってるからだ。電話で何かのアニメとコラボしたお菓子が納品されるかどうか尋ねてきた人に、何度も「ラングドシャ」と言って「えっ?」と大声で聞き返されていた。
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Author:たか
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